どのようなことが問題だったのか、考えてみました
「無過失責任主義」の導入(19?20条)
元来、加害者に故意又は過失がなければ、民事上の不法行為は成立しない(過失責任主義)が、本法においては、被害の甚大さを重く見、被害者の保護を図るため、例外的に加害者の故意・過失を問わず加害者の法的責任を追及できる「無過失責任」を規定している。言い換えればその分、加害者となり得る事業者は、特に重い管理責任を課されていると言える。
実際に無過失責任の規定が適用される状況としては、有害物質を含む水を、1)公共用水域(河川・湖沼・沿岸等)に排出した場合、2)地下に浸透させた場合、が考えられる。現在では排水の監視等が厳しく、それによる健康被害の発生もほとんどないと考えられる。よって現実的には、監視の目が行き届きにくい状況である地下浸透による地下水汚染について、特に強く無過失責任の規定が適用されると考えられる。なお水質事故(河川に有害物質が流出する)を誤って発生させた場合も、当然ながら無過失責任が適用される。水質事故の場合、河川管理者や関係機関が行った対策・処理について、原因者に費用負担を求めることができるとしている(河川法第67条) 。
無過失責任について
無過失責任とは、「損害が発生した場合には、故意または過失がなくても賠償責任を負うという原則」。
この無過失責任は、民法の過失責任の原則の例外となるものであり、私法の法体系全体にかかわる問題である。しかしながら私法的な面においても、事業者の責任を強化して、被害者の円滑な救済ができるような措置、すなわち事業者の無過失損害賠償責任制度を創設すべきであるという強い社会的背景をうけ、「大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の一部を改正する法律」(昭和47年法律84号)により無過失責任を制定した。本改正法により制定された内容は以下のとおりである。
工場または事業場における事業活動に伴って人の健康に有害な一定の物質が大気中に、または水域等に排出されたことにより、人の生命または身体を害したときは、当該排出に係る事業者は、故意または過失がない場合であっても、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずることとした。この場合の有害物質とは、大気汚染防止法および水質汚濁防止法において人の健康に被害が生ずるおそれがある物質として規制の対象とされているもので、硫黄酸化物等複合汚染を常態とする物質をも含めることとした。
損害が2つ以上の事業者の共同不法行為によって生じた場合において、その損害の原因となった程度が著しく小さい事業者があるときは、裁判所は、その者の損害賠償の額を定めるについて、その事情をしんしやすくすることができる途を開いた。
無過失責任は、この法律の施行の日以後における有害な物質の排出による損害について適用することとし、遡及はさせないこととした。
引用『ウィキペディア(Wikipedia)』
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